グレートTHE夏休み1

2005年8月30日
8月20日。のどかな午後。

『天気がいいやぁ・・・。』

その日の出来事は、俺が発したその一言で決定付けられた。

甲子園にて駒大苫小牧が京都外大西と激戦を繰り広げる中、
北海道南西沖、ポツリと浮かぶ周囲約80kmの島、奥尻島、
地名その名も恩顧浜、その沖合い20mほどのところで
熾烈を争うもう一つの夏が繰り広げられていた。

そう。『俺vsタコ』である。

この日、兄と二人で泳ぎに来ていたのだ。
兄は32歳。俺は21歳。その差11という
なかなかにして歳の離れた兄弟。
なにが悲しくて、こんな兄弟が二人して泳ぎに来たのだろうか?
それは、夏の陽気がそうさせた、としか答えられない。

泳いでいると、なにやらスサスサと動く不穏な影を発見!追跡開始!
するとその不穏な影は岩穴にスルスルと入っていた。
アワビを取るための『カギ』と呼ばれる『?』みたいな形をしたアイテムが
あるのだが、それで突っついてみると、見る間にその影が
真っ赤っ赤に激昂し、その正体を俺に知らせた。

「こ、こいつは!!真ダコ!!」

海育ちの血が久々に熱く煮えたぎる。タコを倒せと唸りをあげる。
頭の中でこう叫んだ。『俺は海ん人(うみんちゅ)だ!』
そして、タコの頭を鷲掴みにする俺。ここぞとばかりに墨を吐くタコ。
俺は美麗に、妖艶に、かつ華麗に(と言ってみるとカツカレーを思い出す)
タコを惑わし攻撃を仕掛ける、負けじとタコは体の色を変え、
俺をかく乱させようとする。

そうして攻防が10分だろうか、20分だろうか。
カギを頭にぶっ刺してやったのが決め手となり、俺はタコを制した。

「獲ったどぉーーーー!!」

浜口の気分である。浜口優。俺の中で、彼は神に近い存在なのだ。

家に持ち帰り、塩茹でする。
自然に感謝し、2匹獲ったうちの1匹をそのまま、醤油とわさびでいただく。
うまい。自然と感謝の涙が溢れてくる。

そしてもう一匹をぶつ切りにし、180℃の油で唐揚げにする。
うまい。喉を魂の本流が駆け抜けてゆく。
そう、それはまるで、駆け抜ける夏のように。

そしてあとは心地の良い肌寒さとともに秋が来るのを待つばかりである。

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