グレートTHE夏休み4

2005年9月2日
8月23日、午後11時。

俺たち兄弟は窮地に立たされていた。

賽の河原という観光名所がある。
霊を供養するための場所なのかなんなのかは知らないが
「それ系」の場所である。

観光名所、というのは昼の顔である。
夜の顔はというと、心霊スポット。

お堂での自殺があったり
積んである石を持ち帰ったら狐に取り憑かれた、などなど
まがまがしい噂までもがまことしやかに囁かれる心霊スポットなのである。

最初は『今日は納涼肝だめし大会だあ!』などとふざけ半分で企画し、
兄弟二人だけでそこへ向かう車中、恐い話などをしたり、
とにかく、こんな恐ろしいとは予想だにしていなかった。

昼間とは打って変わり、観光客すら微塵もいない夜の賽の河原に到着した。
駐車場とは300m程度離れたお堂へ行ってみようということになり
暗闇の中を進んでゆく二人。

お堂へ辿り着き中を覗いてみる。入れるわけがない。
大体、去年おととし自殺者が出たんだぞ!?中には入れない。
だが興味はある。

兄がこんな事を言い出した。
『携帯で中の写真撮ってみればいっしょ?』

俺の携帯はフラッシュが付いているので、夜でも結構な景色が撮れる。
なので、フラッシュを焚き、お堂の中に手を突っ込み、写真を撮ってみる。
・・・。
まっかっか。もう画面全部、なんていうか黄色がかった赤。
心なしか、中央に人の顔っぽいものがあるような気がする。
恐くなり、いや、なんかの間違いだ。と、もう一回写真を撮ってみる。
同じ。赤い写真。まっかっかの。
あ、こういう風に写るもんなのか。と思い、再度撮影。

するとどうだろう。普通の写真。普通に写ったの。

恐すぎる。

あまりの恐さに言葉を失くす俺ら兄弟。失笑してしまう。
嫌がる兄を無理やり撮影。なんか写んねぇかなって。
そしたら、画面右下にでっけーオーブが!!!
あまりに恐ろしくて、保存はしなかったけど。

行きは良い良い、帰りは恐い〜ってか?

帰り道、ぽつりと兄が恐いことを言い出した。
「知り合いと車ですれ違ってて、明日その知り合いに
 『昨日車の後ろに女の子乗せてたけど、誰?ほら白い服着た女の子。』
 って聞かれたらどうする?笑」

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