あけびの奥に優しさを感じうる
暖かさと柔らかさとに憧れて
おれはきっと動物であるのだ
沼にたまる泥水を啜るのだ
蔦にぐるぐる巻かれ
息絶えてしまう夢を夢見ている

電柱か大きな岩のようであれ
目覚まし時計か楔のようであれ
茶色い毛布か取っ手の付いた鞄のようであれ

たかだか自由への焦燥か
あるいは訳の分からない願いか知らないが
おれはきっと動物であるのだ
鼻をずずっと啜る音がそう聞こえた

あけびを貪り食うのだ

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